フジファブリック / 桜の季節・YUKI / 汽車に乗ってに垣間みる音や言葉の日本形式、四季感とは?
桜の季節過ぎたら遠くのまちに行くのかい
桜のように舞い散ってしまうのならばやるせない
by フジファブリック【桜の季節】
フジファブリック - 『桜の季節』 from 「Live at 富士五湖文化センター」 - YouTube
季節的にもこんな気分になる日々。
フジファブの志村君は、デビューから一貫して古来の日本形式にもこだわる歌詞を書く芸術家だなと。俳諧的な曲の遊びがとても上手であり、五七五の言葉やリズム(知らず知らずのうちに日本人にしみ込んでいる)を少し崩して曲にするあたりはオヤジ的にもニンマリしてしまう。
フジファブの楽曲は情景も四季感に飛んでいて「花鳥風月」的な言葉も多い。
花や鳥、風や月ってのは不思議なことや、不思議なモノの比喩的な表現として歌詞に多々使われることがある。これも志村君は見事にモノにしている。
小難しい文学的な表現になり過ぎたり、はたまた露骨に「祇園精舎の~」なんて唄うアホではない所も素晴らしい。
で、語尾の一言で過去なのか現在なのか、未来へと向かうのか?ここも上手い。
町(場所)車(動き)そこに溢れる人の感情(心)などもうまく言葉にしてますな~。
ん~、、、、ナマリ方も最高!演歌は日本のブルース。
歌詞で比喩な表現をすること(これ大事!)はとても難しい。
なおかつ歌詞というのは言葉数が少ない方が母音も効いて伸びやかに聴こえるし、歌い手の癖や味となる。で、これもなかなか難しい。学があれば出来るモノでもない。
感性と経験、体験...なによりも想像力。
それを志村君は自分なりの表現で、自身が唄うって事と、“フジファブリック”である事、その先にはリスナーがいることをよく理解している。
もちろん音のつみかたも、ちょい古典的な不思議音階を奏でていてこれまた良し。
だから新しく生まれてきたサウンドに聴こえるのだなっ。
「桜の季節」フジファブという一つのジャンルに成長してゆく貴重な曲である。
もしあの日に帰れるのならば
手に手をとって逃げようか
夢の場所は夢のままに汽車に乗って
by YUKI【汽車に乗って】
汽車に乗って/Yuki/歌詞付き Relaxing Music - YouTube
もう一曲、この季節な曲で、YUKIの感情が入った見事なLOVEソング。
まず、汽車!まさしく北海道生まれの彼女らしい。YUKIの歌詞はガーリーだと言うが、、、この曲はとてもぐっとくる。
「思い出すのは~」の「お」
「うずくまるのは~」の「う」
ここのひと声だけでもう抱きしめたくなる。
抜粋した歌詞はラストのフレーズだが、是非全歌詞を聴いてほしい。
聴いていて“?”と思ったのが「アカシア」と「カナリア」。
アカシアの花言葉は「秘密の恋」とか「愛の告白」「友情」などなど。
なるほど、、、。あとは「契約の箱」ってアカシアなのね。ナイス!
でも歌詞にある“白い花びら”ってアカシアではないのかな、、、桜?
などなど想像様々。これが上手い比喩言葉。
リスナーの想像におまかせで。
カナリアは「小さな小鳥」「籠の鳥」で色もさまざま。
ただ「歌を忘れた」というフレーズから童謡【歌を忘れたカナリア】を聴いてみる。
わ!この詩もすごいね。しかも音階がこの曲【汽車に乗って】にもリンクする感じ。童心にもなるYUKIってそりゃ若いわ。ガーリーで良し!
“童謡”こそ彼女の楽曲に大きく影響しているのかも。
音のつみ方が、咲いた~咲いたの「チューリップ」や「カエルのうた」に近く感じる。わかりやすくいえばチャルメラのラッパか、、、。
たとえば「A・G・F#・E・D」を使った音階とか。日本形式な音つみ。作曲者にも脱帽。
で、【歌を忘れたカナリア】
戦国時代の「鳴かぬなら〜」のようなこの詩。すごい...。子供の頃は無意識で聴いていたが。
ラストの詩は「月夜の海」なんて使い、子供には難しいやろ!と。
でも詩人を目指す志は同じく“YUKI”の大きな希望であり、現に彼女は今まさに成し遂げている。
日本の四季が今後も続き、音楽にも後世残る四季がありますように願います。
今、巷で話題のギタ女たち、どーにかならんかね?日本の音楽界ピンチ、、、。
わー!そんなこと言う俺も長文でセンスないな、、、